インプラント手術の訴訟や事故
歯のインプラント手術の訴訟や事故の例を挙げてみます。非常にまれですが、インプラント手術中に起こった神経損傷事故では、感覚神経の回復が見込まれないケースで訴訟になることがあります。
インプラント手術 訴訟事例①
インプラント手術を被告が開設する歯科医院にて実施したところ、原告の患者は手術後に左下唇とオトガイに知覚麻痺の後遺症をおうことになった。麻酔の際に、神経を損傷しないように注射器をゆっくり進め、患者に激痛が走った場合には注射器を戻す必要があるが、原告が痛みを主張したにもかかわらず、被告は注射器を戻す処置を怠り、注射針でオトガイ神経を損傷、後遺症を生じさせたとする原告の主張。被告は原告が主張するような激痛はなかったはずで、注射針による神経への衝突に気がつくのは不可能だったと主張。原告は6945万円の賠償を請求。
(主文)
被告は原告に対し、674万円及びこれに対する平成11年7月7日から支払い済みまで年5年の割合による金員を支払え。
インプラント手術 訴訟事例②
インプラント手術が被告の開設する歯科医院にて実施された。手術前のCT診断をせず、患者のあご骨の距離を正確に把握せずに削った結果、歯槽の神経を損傷、口唇の下に神経麻痺の後遺症を残した過失、歯科医師の説明義務違反、被告に対し診療契約の債務不履行に基づき損害賠償金1941万円の支払いを請求した事案。(主文)
被告は原告に対し、376万円およぼこれに対する平成18年10月8日から支払い済みまで年5分の割合による金員を支払え。